消える便利なボールペンフリクション
消せないはずのボールペンのインクが消えるという、変わったコンセプトで売り出したのがフリクションボールペンです。この常識を打ち破るユニークな発想は、国内のみならず海外でも受け入れられたようで、いまや全世界で累計37億本以上売れているといいます。世界規模で売れ続けている商品というのはあまりありませんから、それだけでもその凄さがわかるという物でしょう。学習の場や職場での書類の作成など、ボールペンを使わなくてはいけない場面は多々あります。
そうしたシーンで書き損じるたびに修正ペンやテープを使って直すのはなかなか面倒ですし、何より見た目があまりよくありません。でもフリクションを使えば、書いた文字を跡形もなくきれいに消してしまうことも可能です。この点が、できるだけ痕跡を残さず手直しをしたいユーザーに受け入れられたのでしょう。なにしろフリクションの文字は、付属のラバーでこするだけで消えるのでまったく手間がかかりません。
これはこのボールペンのインクが60度以上の熱で透明化するという特性を生かした効果です。ペンについているラバーはこすることで65度以上の熱を帯びます。これを60度で透明化するインクに使うことによって、消えたようにみせることができるわけです。透明化させてしまえば、またその上から何度も書き直すことができます。
書き損じが減れば廃棄される紙も減るので、それだけ環境にかかる負担も大幅に激減させることが可能です。それがエコの観点からみても良い効果をもたらすということで、時代的にも受け入れられたところがあるのでしょう。